私のH26年度業務日誌より 【弁護士 加藤 芳文】

1 通常事件

 ① 遺産分割・遺言・成年後見などの相談・依頼が多く改めて高齢化社会の到来を痛感した。例をあげると次のとおり。   (遺言)    「終活」として公正証書遺言書を作成したケース、遺言者が亡くなり作成済みの遺言の執行を担当したケース、        遺言の効力を巡りトラブルになったケースなど。   (遺産分割)    遺産の配分を巡り紛争が生じたケース、紛争はないが不動産名義変更のため分割協議書を作成したケースなど。    (成年後見)    被後見人と同居している親族が財産を処分してしまうので後見人を選任したケース、       選任された後見人弁護士がきちんと処理をしてくれないとして解任の依頼など。    ② その他、例年どおり離婚、借地借家、売買・請負代金回収、医療事故、境界問題など多くの相談・依頼があった。   借地では期間満了に伴う更新の件、地主からの底地買取り、借家では賃料滞納による明渡し問題が多かった。    ③ ちなみに、自己破産・過払い金請求など債務整理案件は激減した。   2 特殊案件  ① 福島原発訴訟(原告3865名が国・東京電力を相手に原状回復と損害賠償を求め福島地裁で争っているもの)     被災地福島の復興がほど遠いなか、被害者の怒りと願いを込めた注目の裁判は11月第9回口頭弁論が終了、   平成27年1月から証人尋問が始まることになった。いよいよこれからが正念場である。   その関連で市川・葛飾・江戸川で学習会の講師を務めた。    ② 憲法・特定秘密保護法     憲法の解釈改憲・集団的自衛権容認の閣議決定で世論が騒然とする中、またそれらと不可分一体の特定秘密保護   法成立・施行に対し、微力ながら何度か学習会講師を務めさせて頂いた。    引き続きお呼びがかかればどこへでも出向き、専門的立場から問題点をわかりやすく解説するつもりである。    今後とも、平和憲法擁護の諸活動とともに、迅速・誠実な相談・事件処理を心がけたい。