腰椎ヘルニア手術の際に感染を引き起こしたが、医師がこれに気づかず放置した結果、化膿性脊椎炎を発症した事例の損害賠償請求訴訟(患者側)で、和解により1億4000万円の賠償金を得た事例 【弁護士 山添】

相談内容

 Aさんは、永年悩んでいた腰痛について、手術による治療に定評のある病院を受診し、医師から「手術以外では治癒は難しい」と診断されたため、同病院で「ヘルニア除去手術」を受けました。しかし、手術数日後からAさんは脚に今までなかったしびれや強い痛みを感じるようになり、同病院で3度の入退院を繰り返しましたが、軽快することはありませんでした。その後、別の病院に入院して検査をしたところ、Aさんは手術時の細菌感染が原因の「化膿性脊椎炎」を発症していることが明らかとなりました。手術をした医師がこれを見落とし適切な治療を行わなかったため、Aさんには多くの後遺症が残り、収入は激減し、趣味のサイクリングも全くできなくなってしまいました。

解決内容

 当事務所の弁護士3名で対応をしました。まずは証拠を確保するため、手術を行った病院に対して「証拠保全」を行い、改ざん等が行われる前のカルテ等を確保しました。その後、カルテや医療文献等の検討、転院後の主治医との打合せ等を重ね、手術をした病院を被告として損害賠償請求訴訟を提起しました。訴訟において手術を行った医師は、「感染の可能性を考えたが、症状からは感染症と診断できなかった」と主張しましたが、当方は血液検査結果、X線・MRI画像等から容易に感染症と診断できるはずであったことを立証し、証人尋問でも医師が軽率に「感染はない」と判断していたことを明らかにして、証人尋問後の和解期日において勝訴的和解にて解決することができました。

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東京弁護士会
山添 健之
ヤマゾエ タケユキ
Yamazoe Takeyuki
 当事務所には、医療過誤事件・薬害事件等の弁護経験により、医療文献の探索、読解やカルテ等医療記録の読解の経験が豊富な弁護士が複数名所属しております。また、医療過誤事件では専門的アドバイスをして頂く医師等の専門家の確保も大切ですが、当事務所では、専門家ネットワークとの協力関係により、多くの専門家のご協力を得ることが可能です。難しい事案でも一度ご相談を下さい。