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食品表示と法律 【弁護士 山添 健之】

 私たちがスーパーや商店で食品の買い物をするとき、何を基準に商品を選ぶでしょうか。まず値段。そして鮮度、「賞味期限」がせまっていないかどうか。人によっては生産地を気にされたり、カロリーや塩分の表示に目が行ったり、あるいはアレルギー物質が使われていないかどうか、遺伝子組み換え食品が使われていないかどうかを確認される方もいるでしょう。

 食品の商品名や賞味期限(ものによっては「消費期限」が書かれています)や生産地・原産地・原産国、カロリーその他の栄養分、アレルギー物質の有無や遺伝子組み換え食品使用の有無などの表示の方法は、「食品表示法」という法律で、そのルールがとても細かく定められています。

 「食品表示法」は平成27年4月1日から施行された新しい法律で、それまで食品衛生法やJAS法、健康増進法などによって定められていた食品表示のルールを統合してできた法律です。

 食品は私たちの健康・生命の根幹にかかわるものですから、ウソや誇大表示、紛らわしい表示が行われることは防がなければなりません。また、アレルギーをお持ちの方やカロリー・塩分等の制限をされている方にとっては、正確な表示が行われていなければ、命にもかかわる事態を引き起こしかねません。そのため、食品表示については国が細かいルールを定めているのです。

 ただ、食品表示法の定めるルールはとても細かいもので、一般消費者はもちろん、お店を経営されて食品を販売されている方の中にも、その内容を十分に理解していない方は多いと思います。食品表示法については、消費者庁という、平成21年に新設された新しい省庁が担当しており(徳島県に移転するとかしないとかで話題になった省庁です。)、消費者庁のウェブサイト(http://www.caa.go.jp/)にその詳細が説明されていますので、興味をもたれた方はご覧になってみてください。

 ここでは、普段のお買い物にお役立ていただけると思ういくつかのことをご紹介したいと思います。

 

〇「賞味期限」と「消費期限」

 商品によって、「賞味期限」が書かれているものと、「消費期限」が書かれているものがあります。その違いは、

 ・賞味期限―「未開封の状態で、保存方法に表示されている方法に従い、保存された場合に、期待される全ての品質の保存が十分に可能であると認められる期限を示す年月日のこと。品質が比較的長く保持される食品に表示されており、この期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。

 ・消費期限―「未開封の状態で、保存方法に表示されている方法に従い、保存された場合に、品質が保持される期限を示す年月日のことで、弁当や惣菜などの品質の劣化が速い食品に表示されており、この期限を過ぎると衛生上の危害が生ずる可能性が高くなります。

と説明されています。

 

〇「特定保健用食品(トクホ)」と「機能性表示食品」

 清涼飲料等によく見られる表示ですが、どのような違いがあるのでしょうか。

 ・特定保健用食品―「健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「コレステロールの吸収をおだやかにする」などの表示が許可されている食品です。表示されている効果や安全性については、国が審査を行い、食品ごとに消費者庁長官が許可をしています。

 ・機能性表示食品―「事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届けられたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。

と説明されています。

 

〇「温度帯変更者」って?

 毎日毎日食品を買いに行くことができる方ばかりではありませんし、食品を捨てることなく無駄なく利用するためにも、食品の冷凍保存を活用したいものです。一方で、一度冷凍して解凍した食品を「再冷凍」することは、味も悪くなりますし、場合によっては細菌が繁殖することにもなりかねないため、基本的に避けるべきといわれています。

 ところで、スーパー等で販売されている食品の中には、「冷蔵」で販売されていますが、「冷凍」したものを「解凍」したものが多くあります。一番多く見かけるのは鮮魚のコーナーで、例えばマグロの刺身のサクなどは、多くが「スペイン産(大西洋) 刺身用本マグロ赤身(解凍)」などと、「解凍」したことが表示されています。これは、食品表示法により、「水産物」(簡単にいうと加熱、塩蔵等の処理をしていない魚介類)については、解凍して販売している場合は「解凍」と表示することが義務付けられているからです。

 ところが、「水産物」にあたらない食品については、流通過程で「冷凍」状態から「解凍」して販売しているものであっても、全て「解凍」と表示されているとは限りません。例えば、魚の干物、塩鮭などは、多くの商品が流通過程で「冷凍」状態から「解凍」されて「冷蔵」状態で販売されているにもかかわらず、「解凍」された商品であると明記されていないものがほとんどなのです。

 このようなはっきり「解凍」と書かれていないけれど「解凍」された商品であることを見抜く一つの方法として、ラベルに「温度帯変更者」が書かれている商品は、基本的に「冷凍」状態から「解凍」して販売しているものである、ということがあります。

 「温度帯変更者」の表示は、「冷凍」状態から「解凍」して、「冷蔵」状態で販売するにあたって、賞味期限(あるいは消費期限)を短くして再設定する必要があるため、再設定した主体を明らかにするために表示されているのです(多くの場合、スーパーの名前が書かれています)。

 

弁護士活動コラム   2016年09月20日   admin